
いつもシトロエン大分ブログをご覧頂き ありがとうございます。
奥野です。
最近は強制的にヒマな時間を与えられておりますので、今日は、久々に、少々長ったらしく、鬱陶しいブログを。
なお、細かいご指摘は受け付けておりませんので、ご容赦願います。
ディーゼルエンジンモデルのみ、グレードも1グレードという潔さで日本上陸をしたC5 AIRCROSSでございましたが、先般、ガソリンモデルが追加導入されました。
とはいえ、違いはエンジンのみ、といった、やはり、潔い決断。
で、このガソリンモデルが良いか、ディーゼルモデルが良いか、という、永遠のテーマ(というほど大袈裟なものではナイですが)。
先に『違いはエンジンのみ』と書きましたが、カタログにわざわざ書いていないトコロに、違いはあったりしますよね。
『エンジンの違い』でよく取り上げられるのは、やはり、力の強さや、その特性です。
C5 AIRCROSSでは、ガソリンは1,600cc、ディーゼルは2,000ccという排気量の違いがあります。
力の強さ(スペック)を表す項目として『最高出力』と『最高トルク』があります。
細かい説明は省きますが、単純な力強さは、『最高トルク』の大きい方が勝ち(?)です。
では、トルクが大きい方が力があるのだから、スピードも出るのか?というと、そうでもないのです。
最高速度に関わる『出力=トルク×回転数』から算出されるもので、エンジンの特性上、ガソリンエンジンの方が、エンジン回転数は高く回ります。
自転車に例えますと、ディーゼルエンジンは、力は強い(漕ぐ力自体は強い)が早くはペダルを回せないのに対し、ガソリンエンジンは一踏み毎の強さには劣るものの、スピードが乗れば早く回せる。
発進の瞬間は力が単純にモノを言いますが、最高速度は、力が強くても回転数が稼げないと出せないので、力(トルク)があればスピードが出るわけでもない、という事です。
(文章力が無くて分かりづらいですね)
とはいえ、現時点でC5 AIRCOSSの最新バージョンの1.6リッターガソリンターボエンジンの最高出力が180ps(敢えて昔ながらの表記を使用します)、対して2.0リッターディーゼルターボエンジンの最高出力が177ps。
最高出力の差は、微々たるもの、ですね。
では、トルクが圧倒的にデカい(ガソリンの1.6倍!)ディーゼルエンジンの方が、1.6倍のパフォーマンスなのか、ガソリンがディーゼルの62.5%の非力さなのか?というと、そうでもないのです。
『エンジンの違い』に、『そのエンジン自体の重さ』が、ありますので。
C5 AIRCROSSは、ガソリンモデルもディーゼルモデルも、装備に差異がございません(装備表では)ので、車重の違い=エンジン重量の違い、と言えます。
正確に言えば、エンジン単体+補器類(アドブルーに関するシステム等)の重量の違い、です。
これが、パフォーマンスや乗り味、乗り心地に大きく影響してきます、良くも悪くも、好みの面でも。
エンジンだけの重さで120㎏、ディーゼルエンジンモデルの方が重いのですが、お分かりの通り、重い=負担、です。
クルマ雑誌などで見かける『パワーウエイトレシオ』『トルクウエイトレシオ』という数値は、クルマの重さに対してエンジンパフォーマンスで割って、実際の動力性能を数値化する指標の一つとして、用いられています。
エンジンパフォーマンスが同じなら、車重は軽い方が速いし、燃費も良いし、軽快に走ります、大雑把な言い方をすればですが。
なので、C5 AIRCROSSの場合、エンジンパフォーマンス(単体)ではディーゼルエンジンモデルが有利となりますが、車重が120kg軽いガソリンエンジンモデルも、その車重の軽さが大きな武器なのでございます。
なお、エンジン自体の重さが120kg違いますので、乗り心地は結構印象違いますよ。
同じボディなので、120kg軽いガソリンモデルは、重いエンジンを支えるディーゼルモデルほどサスペンション(バネ)を固くしなくてよいので、世間を驚かせた『マジックカーペットの再来』と言われるディーゼルモデルよりも、よりスッキリ&フワっとライドな乗り心地。
あ、乗り心地に関して申し上げますと、ガソリンモデルは、採用されるタイヤが変わりました。
ディーゼルモデルがSUV系タイヤの『LATITUDE』を採用しているのに対し、ガソリンモデルはコンフォート系タイヤの『PRIMACY』が採用されました。
タイヤの違いは結構大きいように感じます。
同じミシュラン製ですが、やはりキャラクターの違いが乗り心地に現れています。
あくまで、キャラクターの違い、です。
良し悪しではなく(笑)
『マジックカーペットライド』と評されるC5 AIRCROSS(ディーゼルモデル)なので、ディーゼルモデルが乗り心地が悪いなんて事は有り得ません。
他メーカーさんのディーゼルモデルでも往々にしてそうですが、ガソリンモデルに比べエンジン重量が重くなる分、数値的にはネガティブな要素も発生しますが、その重さが『しっとりした乗り心地』『重厚感のあるドッシリしたステアリングインフォメーション』など、1クラス上の上質感を感じられたりもします、良いクルマに限られますが。
なので、どちらが良い悪い、ではなく、フィーリングも是非ご検討の際に注目して頂きたい要素でございます。
ランニングコストに関しましては、やはり、ディーゼルモデル優勢と言わざるを得ないかな、とは思います。
軽油の特性上、熱効率(燃焼爆発によるパワーへの還元率みたいなものとお考え下さい)がガソリンより優れる為、1リットル当たりの走行可能距離(つまり燃費)は、ディーゼル優勢でございます。
また、ヨーロッパやアメリカに比べて燃料自体の価格も軽油が随分とお安い設定の日本では、『燃費が良い×燃料価格が安い=ランニングコストは軽油モデル圧勝』いう図式が成り立ちますので。
コストだけでディーゼルモデルをお選び頂いても、失敗はありません。
静粛性も高く、乗り心地も他車に比べディーゼルのネガが極めて少ないので。
長々と書きましたが、間違いないのは、CITROEN C5 AIRCROSSというクルマは良いクルマである、という事でございまして、そのエンジンの違いで選択を迫られるのですが、スペックだけで決められるのは早計、というコト。
個人的には色々と鈍感だと思っておりますが、クルマの違いに関してはどうやら細かいらしいので、シビアめのオハナシをご希望の方は、ご遠慮なく、どうぞ(笑)
自分のクルマの不調不具合には寛容(鈍感)、コレ。